[保育士監修]赤ちゃんに必要な睡眠時間は?

赤ちゃんのお世話は24時間体制。
夜にはママもゆっくりと眠りたいのに、赤ちゃんに何度も起こされてしまうとつらいですよね。
睡眠不足になり、疲れやストレスがたまる一方です。

「どうして何度も起きてしまうのだろう」「いつになったらゆっくり寝られるだろう」と、悩んでいるうちに夜が来るのが憂鬱になってしまう方も。
そこで今回は、赤ちゃんの平均的な睡眠時間や、睡眠時の過ごし方になどについてお伝えしていきます。
ママも赤ちゃんと一緒に身体を少しでも休みたいですね。

 

赤ちゃんの平均睡眠時間

赤ちゃんは、身体を成長させながら、体内時計などの生活リズムも整えています。
そのため、月齢によって睡眠の深さやリズムもまちまち。
実際には子ども一人ひとり異なりますが、大まかな目安としてお伝えします。

 

ねんね期(生後0~1か月)

生まれたばかりのこの時期の睡眠時間は、15~20時間ほど。
赤ちゃんの生活リズムはまだ整っておらず、昼夜に関係なく寝たり起きたりを何度も繰り返します。
睡眠や授乳、排便や排尿など、すべてのことが細切れに起こるので、休む間もなく日々が過ぎていきます。
ママの体調にも気遣いながら、赤ちゃんの生活リズムに合わせた生活をしましょう。

 

首すわり・寝返り期(生後2~4か月)

赤ちゃんに体内時計が身につき始めるこの時期の睡眠時間は、約13~14時間。日中に起きている時間も少しずつ長くなっていきます。
「朝寝」「昼寝」「夕寝」など、夜以外のお昼寝のリズムも整っていきます。
夜間の授乳感覚も伸びていきますが、この時期はまだ朝までの間に2、3回授乳が必要な赤ちゃんがほとんど。
昼夜の感覚が狂わないように、夜間の授乳は暗い部屋で行うことが望ましいでしょう。

 

おすわり・ハイハイ期(生後5か月~1歳)

日中の活動が活発になってくるこの時期になると、睡眠時間は11~13時間ほどに。
活動時間が増え「朝寝」と「昼寝」の2回の昼寝になる赤ちゃんが増えていきます。
明るい時間は活動し、暗くなると眠るということを身体が覚えてくる時期です。
よく寝るタイプの赤ちゃんは、夜にまとまって寝ることも増えてくるでしょう。

一方で、7・8か月ごろになると急に夜の寝つきが悪くなる赤ちゃんもいます
脳が発達している刺激によるものや、乳歯が生え始めることへの違和感など、さまざまな理由が考えられますが、はっきりとはわかっていません。
赤ちゃんの様子を見ながら、寝かしつけの方法見直してみましょう。

 

たっち・あんよ期(1歳~1歳半)

この時期は、一日の平均睡眠時間は11~12時間ほど。
体力がついたことで「朝寝」がなくなってくる子どもが多いですが、生活リズムが変わらないよう気を付けながら過ごします。
朝寝がなくなったことで次の昼寝まで体力が持たないようなら、お昼ご飯を早められるよう工夫をしましょう。

 

赤ちゃんが夜中に起きるのはどうして?

赤ちゃんが夜中に何度も起きるのは、いくつかの理由があります。
その理由の一つが、大人とは異なる睡眠サイクル。

人間は、浅い眠りの「レム睡眠」深い眠りの「ノンレム睡眠」という性質の異なる睡眠を繰り返しています。
さらに「ノンレム睡眠」には、眠りの深さによって段階に分けられ、特に深い眠りの時には脳の休息をしているといわれています。

「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つを1サイクルとして考えるのが睡眠サイクル
大人の場合は、この睡眠サイクルを朝までに4、5回繰り返します。

赤ちゃんの場合も大人と同じく「レム睡眠」「ノンレム睡眠」を繰り返しますが、1セットがおよそ40~60分と短め。
また、眠っている間はほとんどノンレム睡眠である大人と異なり、赤ちゃんはレム睡眠が長めという特徴があります。
新生児のレム睡眠は全体の約50%、生後半年でも約30%が、浅い眠りなのです。

浅い眠りにいる赤ちゃんは、音や光、人の気配などちょっとした刺激でもすぐに敏感に察知します。
授乳やオムツ交換をしているはずなのにすぐに起きてしまうのは、浅い眠りの時の刺激によるものかもしれません。
赤ちゃんが夜中に起きてしまうのは、身体の機能としてごく自然なことなのです。

 

入眠儀式

睡眠サイクルや生活習慣がまだ整っていない赤ちゃんは、眠る前の行動や声掛けが睡眠に結び付く習慣になっていることがあります。
「お気に入りのタオルを触ると眠くなる」というような話を聞いたことはありませんか?
眠りのきっかけになる行動は人によって異なりますが、睡眠前にきまった習慣や行動を行うことを「入眠儀式」といいます。

入眠儀式のメリットは、生活リズムが整いやすいことです。
暗くなったら眠たくなる大人とは違い、赤ちゃんは昼夜の感覚が完全に身についていません。
しかし、入眠儀式が定着することで、赤ちゃんは「もうすぐ寝る時間なんだ」と理解していきます。
そうして繰り返しているうちに、自然と体内時計が整っていきますよ。

 

毎日決まった流れで生活する

毎日の生活の流れを同じにすることも入眠儀式の一つです。
たとえば、布団に入る前に必ず絵本を読むなど、決まった行動を繰り返します。
できるだけ、静かに過ごせるものを選ぶことがおすすめです。
保育園などでも取り入れられている方法で、入眠儀式としてだけではなく、寝る前に気持ちを落ち着かせ、興奮したまま布団に入るのを防ぐという効果もあります。

 

おでこをなでる、背中をさする

入眠儀式にはタオルやぬいぐるみなどの「安心グッズ」などが使われることが多いですが、物を使わない方法もあります。
身体の一部をさすったり、なでたりすることも入眠儀式の一つです。
この方法は、身体が触れ合うスキンシップにもなるので、赤ちゃんの安心にもつながります。

 

入眠儀式は、一人ひとりの好みによってさまざま。
しかし、入眠儀式を頻繁に変えてしまうと、赤ちゃんは余計に混乱してしまいます。
一度決めた方法は1,2週間試してから見直してみましょう。

 

赤ちゃんが快適に眠れる環境づくり

赤ちゃんが快適に眠れるためには、環境設定も大切です。
どのようなことに気を付けるべきかをお伝えしていきます。

 

明るさ調整

昼夜の生活リズムを整えるためにも明るさは大切です。
就寝前の30分くらい前からは、明るさを落とし、眠ってからもできるだけ明かりをつけずに過ごすことが望ましいでしょう。
間接照明や豆電球など、オレンジ色の優しい光がおすすめです。

 

興奮させることを控える

就寝前にテレビやスマートフォンなどの刺激は控えましょう。
このような刺激は、眠気に作用するメラトニンの分泌を抑制してしまうからです。
赤ちゃんの寝つきが悪くなったり、夜中に起きてしまったりと、リズムが乱れてしまうことがあります。
また、身体を使って激しく動くことも避け、ゆったりと過ごすことが大切です。

 

赤ちゃんの生活のリズムを整えるためのポイント

人間の体内時計は、平均1日24時よりも少し長い時間で刻んでいます。
そのため、毎日少しずつのズレが生まれてしまうのですが、体内時計にはズレを修正するための機能があります。
それは太陽の光を浴びることです。

しかし、生まれたばかりの赤ちゃんには体内時計のリセット機能がまだ働いていません。
そのため昼夜の区別がつきにくいのです。
この機能は成長とともに少しずつ機能し始め、生後6か月にはリズムができるといわれていますが、まだ大人の手出けが必要な状態。
どのようなことに気を付けるのかをお伝えします。

朝は7時までに起こす
お昼寝の時間を調整して、日中は身体を動かす
夜は8時ごろの就寝を目指す

朝は7時までに起こす

寝不足のなか早起きするのはつらいですが、ここは夜の睡眠のためにも頑張りどころ。
前日の寝る時間が遅い場合でも、8時までには起こすようにしましょう。
ポイントは、カーテンを開け、赤ちゃんが自分で目を開け起きるのを促すことです。
もし、起きないようなら、様子を見て声掛けしてくださいね。

 

お昼寝の時間を調整して、日中は身体を動かす

お昼寝の回数や時間は、子どものタイプや月齢によって異なります。
子どものリズムを大切にしながら、日中はできるだけ身体を動かす遊びをしましょう。
おすすめは、午前中の外遊び。午前中の太陽の光には、夜の眠気に作用するメラトニンの分泌を高めてくれるからです.

 

夜は8時ごろの就寝を目指す

入眠儀式や眠るための環境づくりを意識しながら、夜8時ごろに寝室に移動できるとよいでしょう。
その時の状況や、家庭環境によっては早い時間の寝かし付けは難しい場合もありますが、できる範囲で意識し、取り入れられるとよいですね。

 

まとめ

眠れない夜を過ごしながら、つらい気持ちを打ち明けられず悩んでいませんか?
「みんな頑張っているんだから」と、一人で抱えてしまう方は多いもの。
苦しいときは、パパを巻き込んで寝かし付けを交代したり、地域の支援センターに行ってみたりするのもおすすめです。

一番避けたいのは、ママにとって寝かしつけが辛いものになること。
今回は大人と赤ちゃんの睡眠の違いや、入眠のポイントなどをお伝えしましたが、すべてをきっちり守らなくて大丈夫です。
「できそうかな」「やってみようかな」と思うものを無理なく取り入れながら、睡眠時間のリズムをつかんでくださいね。

O-BABY.net事業部 深海

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